2013年06月25日

Symphonic Holocaust/Morte Macabre

Symphonic HolocaustSymphonic Holocaust
Morte Macabre

曲名リスト
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"メロトロン"という単語に
過剰反応を起こす人に強くオススメしたい、
モルト・マカブルの現時点で唯一の作品。

一部のスキャットなどを除き全編インストゥルメンタル、
メンバー4人全員がメロトロン奏者として
クレジットされているという徹底ぶり!

モルト・マカブルは
スウェーデンのアネクドテンとランドベルクの
2名ずつ計4人の混成メンバーで、
ホラー映画のサントラのカバー曲を演奏するために結成された、
いわゆるプロジェクトといやつです。
北欧プログレファンにはお馴染みの2つのバンドですが、
なかなか濃いメンツが集まっていますね。

アルバム収録曲と原作映画は以下の通り。

@ "Apoteosi del Mistero"(Fabio Frizzi)
  地獄の門/CITY OF THE LIVING DEAD
A "Threats of Stark Reality"
  次曲へのインストゥルメンタル
B "Sequenza Ritmica E Tema"(Fabio Frizzi)
  ビヨンド/THE BEYOND
C "Lullaby"(Christopher Komeda)
  ローズマリーの赤ちゃん/ROSEMARY'S BABY
D "Quiet Drops"(GOBLIN)
  嗜肉の愛/BEYOND THE DARKNESS
E "Opening Theme"(Riz Ortolani)
  食人族/CANNIBAL HOLOCAUST
F "Photosession"(Glascow)
  GOLDEN GIRLS
G "Symphonic Holocaust"(Morte Macabre)
  オリジナル曲

のっけからメロトロンを4台重ねた、
メロトロンの大洪水と轟音ヘヴィネスで
その筋の人は絶頂間違いなし!!

元の2つのバンドの音楽性を
掛け合わせたような音楽性ではあるものの、
その濃度は数倍増しになっている気が。
ホラー映画のカバーだけあって重厚で陰鬱、
メロトロン特有の不安定で幽玄な響きが闇をさらに深めていく。
聴いているうちにどす黒い闇に侵食されていくかのような、
もう救いようのない暗さ。
過去のどんなプログレの名盤でも、
ここまでメロトロンの表現力を
引き出した作品はないのでは、と
思うほどの絶品の音色です。

カバーしている曲は別々の映画のサントラだけど、
確かな実力とクセのある人達が
再構築しているだけあって散漫さは感じられず、
むしろ一貫性があってよくまとまってると思う。
また、女性のスキャットやテルミンなど、
地味に恐怖を増幅させられる小技は流石!
主役であるメロトロンをしっかり引き立ててるかと。

唯一のオリジナル曲である、
ラストのGは18分近い大曲。
ゆっくりと不穏な感じで始まり
終盤につれ次第に演奏がヒートアップ、
メロトロンを敷き詰め轟音鳴り響くラストを迎えた後は
圧倒されっぱなしでもう放心状態に。

そんな感じで"魔器"メロトロンの
魔力と妖気を骨の髄まで堪能できる作品。
全くといっていいほど大衆性はなく、
好き嫌いはっきりと別れると思いますが
その分とてつもない中毒性があります。

ホラー映画らしい退廃的な美しさもあるので、
ゴシック系が好きな人もハマるかも。

少し入手し辛くなってますが、是非ご一聴を!
http://www.youtube.com/watch?v=VVN961z32tw
posted by naganopeth at 15:30| Comment(0) | M | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月01日

Construct/Dark Tranquillity

コンストラクトコンストラクト
ダーク・トランキュリティ

曲名リスト
1. For Broken Words
2. The Science Of Noise
3. Uniformity
4. The Silence In Between
5. Apathetic
6. What Only You Know
7. Endtime Hearts
8. State Of Trust
9. Weight Of The End
10. None Becoming
11. Immemorial
12. Photon Dreams
13. To Where Fires Cannot Feed
14. The Bow And The Arow
15. Zero Distance
16. Zero Distance - Radio Edit

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メロディック・デスメタル最重要バンドの一つ、
ダークトランキュリティの2013年作品。

安定してクオリティの高い作品をリリースし
ファンからの信頼度も非常に厚いバンドだが、
今回の作品も素晴らしい出来だった。

高いクオリティで安定しているといっても、
多少の変化を厭わないバンドでもある。
前作から比較するとスピードは控えめで、
アグレッシブなメロデスを期待する人は
1曲目から肩透かしを食らうと思う。
ギターを抑えてドラムとキーボードが前に出ていて、
いかにもメロディックデスメタル、という音像とは決別している。
CDFなどテンポの速い曲もあるが、
表面的には今までとの違いがはっきりと分かるので
そのあたりで賛否両論が出るのは間違いなさそう。

しかし、このバンドの根幹の部分である
ダークでメランコリックな表現は
むしろさらに磨きがかかっており、
アプローチの部分を変えただけであるともいえる。
表現方法の幅が広がった、と解釈するのがいいかもしれない。
ダーク・トランキュリティの音楽のファンなら
わりかしすんなりと受け入れることができるのではないか。

劇的な展開のAGHあたりはバンドの真骨頂。
ミカエル・スタンネのデスボイスも相変わらず
業界随一の美しさを誇っており、
クリーンボイスも一段と深みを増した。

特筆すべきはバンドの持つアイデアの豊富さと
それを纏める作曲のセンスであり、
安直な原点回帰に走り劣化していくバンドとは違い
いまだに新鮮な感動と驚きを感じさせてくれる。

新しい要素も付け焼刃的なものではなく
しっかりと血肉化させている点は、
さすが百戦錬磨のベテランバンドであると感じた。
彼らがファンであるというデペッシュ・モード的な要素が
新しいサウンドのいい隠し味になっている
また、最近引っ張りだこのイェンス・ボグレンがミックスを手がけており、
非常にクリアで立体感のあるサウンド作りに貢献している。

「自分たちがもっとも安全でいられる領域を歩むつもりはない」
というミカエルの言葉が嬉しい。
さらなる進化をとげたダークトランキュリティの今後に期待!
posted by naganopeth at 12:18| Comment(0) | D | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月25日

Crimson/Sentenced

CrimsonCrimson
Sentenced

曲名リスト
1. Bleed In My Arms
2. Home In Despair
3. Fragile
4. No More Beating As One
5. Broken
6. Killing Me Killing You
7. Dead Moon Rising
8. The River
9. One More Day
10. With Bitterness And Joy
11. My Slowing Heart

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「フィンランドの極端な天候が、俺たちのやることなすこと全てに影響を与えているんだろう。
ここでは3つのことしかできない。
1つ目はテレビを観ること。2つ目は自殺すること。そして3つ目はミュージシャンになることだ。
で、俺たちはバンドを組んで自殺することについて歌うことにしたのさ」

-アルバム発表時のサミ・ロパッカ(g)のインタビュー


フィンランド出身のHMバンド、
センテンストの6枚目のアルバム。

前作「フローズン」もメロディが充実した素晴らしいアルバムだったが、
センテンストがもう一つ上のレベルに達したのはこの作品だと思う。
センテンストの出したアルバム中最も暗く、尖っている。

前作と比べボーカルのヴィレ・レイヒアラの成長が目ざましく、
これまではジェイムズ・ヘットフィールドやニック・ホルムズ系の
単なるHMシンガーというイメージだったが、
荒削りながらも聴き手の胸にダイレクトに迫る「痛みの告白者」となった。
@Cなど作曲面での貢献も非常に大きい。

アルバム全体がメランコリックでダークな雰囲気に包まれているが、
同時に煽情力のあるメロディからは力強さを感じるはず。
キャッチーで美しいEはバンドの代表曲であり、
荒涼としたアルバムの中でひときわ輝いている。

彼ら特有の、孤独・絶望・自殺といったネガティブな歌詞は
「現実を見つめなおせ」と解釈することもでき、
説教くさい陳腐なメッセージや自己陶酔ではなく
シニカルに聴き手に叩きつけるのがセンテンストのやり方である。
また、バンド自身はこうした歌詞を書いて吐き出すことが
ネガティブな気持ちを拭い去るセラピーであると語っており、
リスナーにも同じように作用すれば、と感じているらしい。

アルバムの後半に少し失速する印象があり、
アルバム全体の完成度としてはあと一歩というところだが、
(そのせいかバンド自身はあまりこのアルバムを気に入っていない)
フィンランドのナショナルチャートの1位を獲得したこともあり、
フィンランドのメタルシーンにとっては非常に重要なアルバムである。
このアルバムで完成されたスタイルは
一大勢力になるフィニッシュ・メタルの源流となった。

そして次作「コールド・ホワイト・ライト」により
バンドは一気に伝説の存在となる。



ちなみに、
印象的なアートワークはグラフィックデザイナーとしても活躍する
ダーク・トランキュリティーのニクラス・スンディンが手がけていて、
そのダーク・トランキュリティーはこのアルバムからDをカバーしています。
posted by naganopeth at 00:11| Comment(0) | S | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする